セフティーの関根です。
近頃急に冷え込んできましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。体調を崩されないようご注意くださいね。
さて、突然ですが皆様。生命保険の「契約者名義変更プラン」というものをご存知でしょうか?これは法人向けの生命保険販売手法の一つですが、これが少し前から問題になっています。
<契約者名義変更プランとは?>
そもそも名義変更とは保険契約者を変更する事をいいます。今回取り上げる「契約者名義変更プラン」は、“法人⇒個人”へ契約者を変更する事を契約当初から前提としているプランのことです。
今回問題になったのが主に「低解約返戻金型逓増定期保険」(加入後数年間は解約返戻金が抑えられていて、一定期間経過後に解約返戻金が跳ね上がる保険)などを利用したもので、具体的には以下のような手法になります。
1.低解約返戻金型逓増定期保険に加入する
2.法人で契約し、数年間の保険料を法人が負担する
3.その後、解約返戻金が跳ね上がる直前に契約者名義を個人に変更する
4.解約返戻金が跳ね上がったら解約し、個人で解約返戻金を受け取る
5.個人で受け取った解約返戻金は一時所得となり税負担が軽くなる
要するに法人で簿外にお金を貯めて、そのお金を個人で受け取る。と言う事です。
※逓増定期保険とは契約して保険期間満了になるまでに、保険金額が契約当初から5倍まで増加する定期保険を言います。契約してから5~10年の間に返戻金のピークを迎えるため節税対策でよく販売されていました。
<今回何故問題になっているのか?>
今年の6月25日に国税庁の新通達で名義変更時の保険契約の評価方法が変更となり、実質的に名義変更プランのメリットが無くなりました。ここでは詳細を割愛しますが、簡単に言うと、今までの評価は「解約返戻金相当額」だったものが、今後は解約返戻金が資産計上額の70%未満の場合「資産計上額」で評価する事になったのです。(ここは分かりにくいところですが、分からなくても大丈夫です)
評価方法が変わったなら、今後その契約をしなければ良いだけなのですが…。今回問題になっているのが、2019年7月8日以降に加入した、過去の契約まで遡って適用される事です。
2019年7月以降に加入している「逓増定期保険」があったら、もしかすると契約者名義変更プランで加入しているかもしれませんので、チェックした方がいいかもしれません。
<弊社の対応について>
弊社では今回の「契約者名義変更プラン」の販売を禁止しておりました。だっておかしいですよね?法人のお金を都合よく個人に移すなんて。それって会社のお金の「私物化」ですし。そもそも個人への資金移転の為に生命保険に加入するというのは生命保険の本来の目的から外れています。
弊社の行動指針の中には「大切な人に誇れる仕事をしよう」という一文があります。これからも正々堂々とまっすぐに仕事をしていきます。
<法人の生命保険について>
法人の生命保険について考えると、過去には節税目的の全損商品や、今回の名義変更プランなど、入ると得をする商品を販売しては対策されて、というのを繰り返しています。しかし、保険の本来の役割は、万が一の時に役に立つ(あなたの大切なものを守る)ためのものです。
もしあなたの身に万が一のことがあった場合、今と同じ事業規模を維持する事ができるでしょうか?社員とその家族を守ってあげる事ができるでしょうか?
再度、何のために?いくらくらい?どれくらいの期間必要なのか?しっかりと考えてみてください。弊社では法人における生命保険は、事業の継続に貢献し、経営を助けるものと考え、財務の視点も含めて考えます。そのためにも社長の想い、会社の将来の展望を共有し、その過程で生じる様々なリスクを分析し、定期的に点検する、ということが大切だと本気で思っています。
保険は、保険会社直販社員、保険代理店、銀行、税理士など…様々なところから提案がありますよね。ネットで検索しても多くの情報が転がっていますから「どの情報が自社の役に立つものか?」という判断はとても難しいと思います。弊社では、お客様に合った判断基準をお伝えすることから始めます。お困りの方は、ぜひお声がけ下さい。