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運送業の「業務前自動点呼」が変わる?ロボットやDXを活用した業務効率化と安全向上の新時代へ

最終更新日: 保険情報

2025年4月から運送業における運行管理業務について「業務前自動点呼」と「事業を跨いだ遠隔点呼」が本格的にスタートする予定です。(2025年3月中に開催される予定の第3回運行管理高度化ワーキンググループで時期や方針が一定判明する)

弊社は保険代理店ですが、多くの運送事業者様と長年に渡ってリスクコンサルティングや事故対応などを行っており、その他にも業務に関する様々なお役立ち活動もしております。

その一環として、東京海上グループが提供する「自動点呼」を支援する運行管理支援AIロボットもご紹介しております。

今回は、業務前自動点呼についてその背景や内容、そして運行管理支援AIロボットのご紹介をさせて頂きます。

 

 

運送業の人手不足は深刻化。自動点呼や遠隔点呼のIT化で業務改善!

物流・運送業界は労働基準法の改正(時間外労働規制)が2024年4月から適用されました。(物流・運送業界の2024年問題)

これにより、ドライバーの長時間労働が是正され、1人あたりの労働時間が短くなりましたが、その空いた穴(労働時間)を埋める新たな人材が集まらないことから、慢性的な人手不足(労働力不足)が顕在化しております。

今はなんとか現役のドライバーや運行管理者に無理を言って対応しているケースも多いのではないでしょうか?

政府もこうした流れを受け、運行管理者の負担軽減や業務効率化、安全性向上のために、ICT(情報通信技術)の活用を推進しております。

すでに「業務後の自動点呼」と「同一事業者内の遠隔点呼」は先行して本格運用がスタートしておりますが、2025年4月1日から「業務前の自動点呼」と「事業者を跨いだ遠隔点呼」の本格運用を正式に認める方針で進んでおります。

令和6年度第2回「運行管理高度化ワーキンググループ」(2024.12.24)資料1 | 国土交通省 参照

※2025年2月時点では本格運用となるかは未定です。

 

 

運送業界で必須の「点呼」とは?対面必須が要件緩和へ。

運送業の皆様には釈迦に説法とは思いますが、運送業における点呼は実施方法や確認項目などが法律によって定められており、義務付けられております。

点呼は誰でも出来るわけではなく、運行管理者の資格を保有する人や運行管理補助者が行います。(それ以外の人が点呼をしても実施した事にはならない)

運行管理者は、運行の安全(運転者ご自身、歩行者、他の車両の安全)を確保するために、点呼の実施と記録保存を行う必要があります。よって、点呼を怠れば行政処分の対象となるリスクがあります。

運送業の点呼はとても大切で重要な業務です。

そのため、点呼には「業務前」「業務後」の点呼があり、原則対面で行われて来ました。(長距離運行などで遠方にいる場合は、対面の業務前・業務後の点呼が出来ないため、中間点呼をITを利用した遠隔点呼を実施)

点呼は安全運行の要 | 国土交通省 参照

点呼の種類と記録事項一覧

項目乗務点呼中間点呼乗務点呼
点呼執行者名運行管理者の名前運行管理者の名前運行管理者の名前
運転者等の氏名点呼される運転者名点呼される運転者名点呼される運転者名
車両情報登録番号または識別番号登録番号または識別番号登録番号または識別番号
点呼日時点呼の実施日時点呼の実施日時点呼の実施日時
点呼方法アルコール検知器の使用有無、具体的方法アルコール検知器の使用有無、具体的方法アルコール検知器の使用有無、具体的方法
酒気帯びの有無酒気帯びの確認結果酒気帯びの確認結果酒気帯びの確認結果
健康状態疲労、睡眠不足、疾病などの確認疲労、睡眠不足、疾病などの確認
日常点検点検実施状況の確認
指示事項運行の安全を確保するための指示運行の安全を確保するための指示
運行状況自動車、道路の状況確認
交替運転者への通告交替運転者への通告
その他禁止薬物等の服用、睡眠不足等の確認禁止薬物等の服用、睡眠不足等の確認その他重要な確認事項

この、点呼業務の要件を緩和してICTやAIロボットで自動化する試みが、運行管理業務の高度化(自動点呼)です。

上述したとおり既に業務後の自動点呼は2023年から本格運用がスタートしておりますが、業務前の点呼は運行の可否を判断するとても重要な役割を担うため、厳しい要件が求められ、実証実験や先行実施でテストを重ねて来ました。

そして、2025年(令和7年)中には、国土交通省の認定を受けた機器を使用すれば、業務前の点呼も自動化が出来るようになる予定です。これにより、運行管理者や運転手の負担軽減や業務効率化が期待されています。

 

 

自動点呼の導入イメージと課題や効果について

運送業の皆様の中には「業務後の点呼」だけではなく「業務前の点呼」まで本格運用した際にICTやAIロボットの導入して自動点呼を実現しよう!と思っていた方も多いのではないでしょうか?

全体的な概要図は以下のとおりです。

 

では、具体的に自動点呼を導入した際はどの様な運用になるのかは、文書で説明するよりも動画を見て頂いた方が早いので以下を御覧ください。

※動画は業務後の自動点呼をイメージしておりますが利用する機器などは同じです。

 

先行実施で業務前自動点呼を実施していた企業は以下のような効果と課題を感じたそうです。内容を見る限りでは導入した効果が大きいかと存じます。

  運行管理者 運転者
効果
  • 深夜・早朝や休日の点呼を自動点呼に代替することで、運行管理者の業務時間の削減や、他の業務に従事する時間の確保が可能となった
  • 点呼による他の業務の中断がなくなり、業務効率の向上が図られた
  • 体温や血圧の測定結果をもとに判断されるため、点呼の信頼性が向上した
  • 運転者の健康状態を数値で把握できるため、日々の健康状態の把握が容易になった
  • 点呼記録が自動的に保存されるため、点呼記録の確実性が向上した
  • 運行管理者がトイレ等で離席している場合や他の業務を実施している場合であっても、運転者が待機することなく点呼を受けることが可能
  • 深夜・早朝の場合、運行管理者が待っていることを考えると気が重かったが、その心理的負担がなくなった
  • 体温と血圧の測定が習慣化することで、健康に対する意識が向上した
  • 自身の健康状態を把握する機会となり、自身の健康管理に配慮するようになった
課題
  • 運転者との会話機会が減少するため、業務やプライベート等の相談などを行う機会が減少し、人間関係が希薄になってしまわないか不安を感じる。点呼時以外にコミュニケーションをとる機会を確保する必要がある
  • 機器の故障やエラーが心配になる
  • 対面点呼時にリアルタイムで実施可能であった、微妙な疲労感やストレスの兆候を見出して声がけをすることが、難しくなった
  • 機器の操作に関して不安を感じている
  • 対面点呼では実施していなかった確認(血圧測定等)による点呼時間の増加を感じている
  • 朝などに点呼が集中した際、血圧測定に時間を要することが気になっている

令和6年度第2回「運行管理高度化ワーキンググループ」(2024.12.24)資料3 | 国土交通省 参照

この様に業務前も業務後も自動点呼の導入が出来れば、点呼にまつわる負担と不安を大きく軽減できます。

また、自動点呼だけではなく遠隔点呼や、法令で求められている指導・監督指針に準拠した自動車安全運転学習をWebで提供することも可能なので、運行管理に関する全体的な負荷軽減やミス防止などを実現できます。

 

  

運行管理支援AIロボット(kebbi)サービス導入のご相談

弊社では運送用様の保険を通じたリスクコンサルティングやコスト削減、そしてこの様な運行管理支援サービスを通じて、全体的なソユーションとしてお客様へご提供しております。

もし、運行管理支援のICTやAIロボットの導入をご検討されている方は弊社に是非ご相談ください。

また、金額面が気になる方は助成金や補助金を活用する事をオススメします。顧問の社労士へご相談してみてください。(弊社からも社労士の紹介は可能です)

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